承前
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まあべつに、過去記事は読まなくていいです。ナンバリングしてるけど続きものじゃないので。過去記事の人生レシピはおもに音楽的関心に沿って書いたんですけど、べつの観点からの人生レシピもあるなとおもって、今回書きます。
べつの観点、学術的関心ですね。
法、わたしの学術的関心のはじまり
「HERO」ですね。知ってます? 木村拓哉さんの…月9ドラマ…がめちゃおもしろくて。DVDに録画してはすりきれるくらい見ました。大学も迷わず法学部にした。今だったら他の選択肢も考えられるけど、当時は本当にやりたいことがなかったから、HEROがなかったら、どうなってたんだろうと思います。法学部出身じゃないわたし、想像つかない。
哲学
HEROにならって検察官になりたかったけど、それはひと握りの人間しかなれないものだと気づいて、早々にレースからリタイア。でも法律の勉強は楽しくて、条文って最高の文学では?とかおもってた。今でもそうかも。行政法のゼミに入ってたんだけど、同じ条文をどう解釈するかでモメて、法律でも解釈割れるんだ〜となって、なんか哲学をやりたくなった。それで法哲学という授業をとりたい!となるけど、全編英語と聞いてしょげてやめた。でも哲学をやりたい気持ちは今も根底にある。
歴史、中国史
受験は世界史選択だったんだけど、それはもうひどいありさまで。中国史が苦手でね…世界史という科目とはわかりあえなかったけど、ジャンルとしてはすごい好きだなとずっとおもってたので、受験が終わってからも個人的に勉強してた。自分のペースでやれるなら勉強も悪くないなとおもえるようになったのもこのへんかな。世界史、世界史検定3級がとれないくらい今でも苦手だけど、おもしろい。バカだから覚えてなくていつでも新鮮味がある…笑 中国史なんかはとくに、陳舜臣作品との出会いを経て、すごく好きになった。中国史だけで人生溶けるやん。
言語学、日本語の起源
で、世界史の勉強を学習参考書以外でするとなると、結構うさんくさい本がたくさんあるのね。ヘイト本ってやつとかね…まあ嗅覚でだいたい避けられるけど、中国史にハマってたときは、中国語を勉強すれば現地の歴史本を読めるのでは?とおもって、それが外国語との初めての能動的な出会いだったな。けっきょく声調がむずかしくて全然わからなくてすぐやめちゃうけど、すぐお隣の国で同じ漢字圏なのにどうしてこんなに違うんだろうとか、文法が違っても漢字でなんとなく伝わってもいいのに伝わらないところとか、言語学的なアプローチをしたくなった。それが言語学との出会い。
受験英語で英語の許容量を超えて、発音が簡単らしいと選んだ第二外国語のスペイン語は文法性と動詞の変化が意味わからなくて、中国語は声調がわからなかった。これらを克服した言語ないかしらん、とおもって探したら、トルコ語があった。このへんは、過去記事で。
まあトルコ語も、比較的すぐやめちゃうというか、外国語が必要な場面に出くわさないので、切迫感や緊張感がなくて集中できないというか。それでまあやめちゃうんですけど、トルコ語は好きで集めた参考書はまだとっといてある。
美術
小学校5年生のとき、図工の時間、担任に「ひるねさんは絵が下手ね」とどストレートに言われたことでアートへのとびらをガン閉じした。ガン閉じしたとびらがひらかれるようになるのは30代に入ってからなんだけど。今でも絵を描くのは苦手。簡単な図解ですら書けない。世界をなんとなくでしか捉えられない。だから話すのも下手なんかもしれん。知らんけど。
で、なんでとびらがひらいたかというと、わたしうつ病で障害者手帳を持ってるんですね。ここでピンとくるかたもいるとおもうんですけど、手帳を持ってると美術館とか博物館とか、だいたい無料で入れるんですよ。これを利用しない手はないなと。不純な動機でした。でもとびらがひらかれてよかったとおもう。本当に美術館とか、こわくて。今ではスイスイ行けるけど。それでアートが完全に趣味になって、一ヶ月で100冊くらい美術書を買ったりして、全然読むスピードに間に合わなくて積読がエスカレートしていったのがこのころ。でも本当にアートが楽しくて。美術史家になれたら最高!とおもうようになった。好きな美術と好きな歴史の一挙両得できるので。まあ、美大出てないし無理なんだけど。
デザイン
アートのとびらがひらいたついでにデザインのとびらもすこーしひらいた。働いてた画廊でチラシ作りを任されて、まあ事情があってすぐ辞めたからその仕事はしなかったんだけど、はぁデザインの仕事というのも、ありなのかもね、とおもうようになった。それで、いま勉強中というわけ。
長いな。でもわたしとしてはぜんぶ連綿と続く人生の上にあるから、ひとつも欠けてはならない大事なことだったな。学術的関心とかえらそに銘打ってみたけど、ようは読書遍歴ですね。小説はあんまり読まないんだけど、なぜかというと小説って合わない文体があって。それに当たるともうなんか…無駄な買い物したなとおもってしまうんだけど、学術書とか専門書は文体がかぎられてくるし、よほど合わないのって翻訳物くらいで、それでも読めば知識が得られるからあんまり無駄だとおもえなくて。それでこうやって専門書ばっかり積んできたな。(あんまり読んではない。)では。